私が20歳の頃、彼とは勤めている病院で知り合いました。
当時彼は25歳で奥さんと二人暮らしをしていたそうです。
病院勤務中はアクセサリーは禁止なので指輪はしておらず、私は彼が既婚者だと知りませんでした。
私が病院で勤め始めたのは19歳の春でした。
社会人成り立ての私は右も左もわからず、誰に頼ったらいいのかもわかりませんでした。
そんなときに私に声をかけてくれたのが彼でした。
彼は仕事を丁寧に教えてくれ、慣れるまではいつも傍で付いていてくれました。
不安でいっぱいだった私は、そんな彼を頼りになる人だなと感じていました。
ミスをしてもカバーしてくれ、嫌な顔1つも見せない彼。私は、いつのまにか彼に魅了されていました。
あくる日、私は意を決して彼に連絡先を訊きました。するとLINEのIDを教えてくれました。
そして、LINEで彼女はいるんですかと問いかけてみました。
そこで彼から初めて奥さんがいるということを聞きました。
正直、勝手な片思いですがショックでした。
その日はそうだったんですね!と返事をし落ち込んですぐに寝てしまいました。
翌日、目を覚ましてLINEを確認すると、でも妻とは今喧嘩していて、最近喧嘩や言い合いが増えているので疲れている、そろそろ離婚を切り出そうか悩んでいると返事が来ていました。
私は、もしかしたらまだチャンスがあるかもと思い、私でよければ一緒にどうするのが良いか考えますよ!あまりお役に立てないかもしれませんが・・・と返事しました。
すると、彼から今日の夜一緒にご飯に行かないか、愚痴れる相手が欲しかったんだけどとお誘いが!私はすぐにOKの返事を出し、夜、初めて彼と二人きりで食事に行きました。
彼はお酒を飲みつつ、奥さんと上手くいっていないことや家に帰ることが嫌で仕方ないと話してくれました。
私は、終始そうなんですねと相槌を打ち、無理はしないでくださいと言っていました。
彼は酔いが回ってきたようで普段は仕事の愚痴など言わないのですが少しづつ口もこぼすようになりました。私は、
仕事上だけでない彼の姿を知り嬉しく思っていました。
すると突然彼は、もし妻と別れると言ったら付き合ってくれるかと問いかけてきました。
私はびっくりして固まりました。
彼は、家に帰っても寂しいし、君みたいな無邪気で頑張りやな素直な女性が好きだ、一緒にいて欲しいと言いました。
今はまだ奥さんがいる彼。しかし、私は彼のことが本当に好きでした。
そんな彼をここまで疲れさせ、苦しめる彼の奥さんに腹が立っていました。
私ならこの人を支えられるのかもしれない。今度は私がこの人を支える側になろう、そう思いました。
私は、彼の告白にOKしました。
これが彼とであって半年程度の頃でした。それから、彼とは週に1度は必ず食事に行くようになりました。
私が二十歳になってからはバーにも行くようになり、夜ホテルに泊まることもありました。
彼との連絡は職場が同じだったので基本的には口頭でやり取りし、家に帰ってからはLINEでやりとりしていました。
彼は浮気となると慰謝料を請求されかねないから、電話は控えて欲しいと言っていたので電話は控えていました。
また、私と合うときは同僚と遊ぶということで家を出ていたそうです。
LINEも見られると厄介なのでいつも履歴を消していると言っていました。
二十歳の誕生日、私は、彼からキーホルダーをもらいました。
ネックレスや指輪だと仕事中は使用出来ないけれどキーホルダーなら名札のところに少しつけることは許されていたので、ずっと傍に置いておけると思ったということでした。
私は、その気遣いがとても嬉しかったです!やはり、彼は優しいなと思いました。
時折、これって浮気なんだよなぁと考える事もありましたが、彼の心を捕まえ続けられなかった彼の奥さんにだって責任はあると思い、悪いことはあまり思いませんでした。
クリスマスは23日にクリスマスイブイブということでイルミネーションを見に行く事でクリスマス気分を楽しみ、バレンタインはチョコレートを手作りして彼はそれを職場で休憩時間に食べていました。
季節ごとのイベントは基本的に少し日付をずらすことで出来ていたので、当日という欲を張らない限り満足していました。
会いたいと思ったときに会えない寂しさや声でのやり取りが仕事を終えるとできなくなってしまうことに残念感はありましたが、それは我慢しました。
もし、バレたらやっぱりマズイのかな、バレたらバレたで別れるだけだからいいんじゃないのかな等と考えることも時々あるけれど、彼が困るのは嫌なのでなるべくバレにくいように香水も控えめにしたり彼の服にメイクが付かないように気をつけていました。
そんな日々が続き、私は彼が奥さんと別れるときを待っていました。
しかし、いつまで経っても彼は別れたという報告をくれません。
私は、待ちきれなくなっていつ奥さんと別れるつもりなのか彼に問いかけました。
すると、彼は離婚届に印をついてくれないと答えました。
私は往生際の悪い奥さんだなぁと思いながら、早く話がまとまるといいねと言いました。
それから数日後、私は先輩女性スタッフと飲みに行きました。そこで恋話になり、実は××さんのことが好きでー・・・と話しました。
すると先輩はその人はやめたほうがいいと言いました。
今までにも新しく入ってきた若いスタッフに声を掛けては色恋に持ち込み、実際は奥さんと上手くいっている裏で浮気をしている男だと教えてくれました。
私は信じられなくてそれは本当なのか詳しい事情を先輩に訊きました。
すると何人も付き合った人の名前が出てき、最終的には別れられそうにないからとフラれた人の話もされました。
私は憤りを感じすぐに彼に連絡しました。
電話はかけないでほしいと言われていましたがその日ばかりは電話しました。
彼は電話に出ると、かけてきちゃだめだといったじゃないかと焦ったような口調で言いました。
私は、その言葉を無視し、どういうことなのかと問い詰めました。
彼は無言になり、しばらくしてごめん、若い子とも付き合いたくてと白状しました。
私はその日、彼と別れました。いい人だと思っていたのに、すごく辛い思いをしました。それと同時に、やはり浮気で人と付き合うのは良くないなと思いました。
(MIKOTO、22歳)