私が20歳の時、当時25歳の彼がいました。彼には妻がいることは知っていました。子どもはいません。
そして私と彼は6年間の遠距離不倫の末、別れることとなりその後、彼と奥様は離婚へと至りました。
彼との出会いは職場です。仕事でいろいろと教えて頂いきました。
雑談の中で、私の趣味が映画と話すと彼も同じだと言いました。
絶対、この人は私に合わせてるんだと思いましたが、今観たい映画の話になりその映画の予告編まで彼は知っていたことにビックリして「嘘を言っているんじゃないんだ」と感じました。
その後、彼とその映画を観に行きました。
ある時、会社の飲み会が あり「二次会どこにいく~?」という話を他の人としていましたが、彼にも同じように「二次会どこに行くんですか?」と聞きながらみんなが歩いている後方で話をしてました。
そして、彼は二人で抜けようと言い2人で居酒屋さんへ行きました。
行く途中に彼は「失楽園」にあこがれていると言いはじめ私は正直びっくりしました。
妻のいる既婚者から不倫がしたいなんて言葉を言われるなんて・・・。
でも私はビックリはしましたけれど、夫婦の形は色々だし思う分にはいいのかもしれないと感じてしまったのです。
それからというものの彼とは映画を通じて毎週二人で会うようになり、男女の関係へと変わっていきました。
彼は、妻とはすれ違いの生活だと言い、家にも招待をしてくれたりしましたが、正直ドキドキものでした。
何故なら奥様と鉢合わせになったらどうしよう。どう言葉を交わせば良いのだろうと、彼との関係はなかったと言い逃れの言葉を内心考えていました。
彼は妻とはすれ違いで、この時間は仕事だから帰ってこないというけど、確証はないわけですから変な意味でドキドキでした。
私は彼との関係を持ってから1年が経過した頃、1人暮らしを始めました。
それも全く無知な私でしたから、彼のアパートの近くへ引っ越しする事になりました。(彼に言われるがままでした)
1人暮らしを始める少し前に、彼が私に「妻は君の存在知ってるよ。俺が君のことが好きだってことも」と言われ、なに呑気なことを言っているのかと思う反面、彼の物言いが奥様への悪意を感じませんでした。
私の存在がいるにも関わらず、喧嘩したという話も嫌がらせされることすらもなかったです。
そして彼は離婚を決意し奥様との話合いが始まったのです。
離婚の話の争点は、私ではありませんでした。
奥様が勝手に2人の貯金を使っていたことと奥様のご両親の怒りが争点となりました。
貯金は、奥様のご両親へ車など大きい買い物をしていたと、彼が知らなかった事実が発覚していったそうです。
奥様のご両親からは「娘を幸せにすると言ったじゃないか、その気持ちは嘘だったのか」と、言われたそうです。
また彼は私との再婚を考えていたのか、自分のご両親にも私の存在を伝えていたそうです。
私は彼からの話を聞くだけで危害が加わる事は全くなく第3者目線で彼が取り巻く人たちの話を聞いていました。
私の親も離婚がすごく大変でした。当人同士の気持ちは同じなのに親族が相手方の悪口や嫌がらせをしてきてました。
同じように彼も大変だなぁと感じました。ただ彼の救いとは子どもがいなかったこと。
子どもがいないから余計に離婚はすんなりいくと思い込んでいた私。
でも、彼が離婚が出来ず、彼と私はふつうの恋人でもなく、誰にも相談出来なくて、苦しい思いをしました。
私は彼と関係を持って2年同じ職場にいましたが、その後、転職し色々なところへと転勤もしました。
その転勤先で「彼氏はいるの」と聞かれることも多く「彼氏います」と答えても嘘を言っている自分が嫌で嫌で仕方ありませんでした。
自分の嘘から逃げるため、彼との関係を切りたくてもきれなかった、私が近くにいなくなれば離婚の話に専念できるのでは。そんな気持ちだったからだったのか会社の転勤を快く受け入れました。
大型連休や週末お互いの時間があえば会っていましたが、その度に「離婚したよ」と言われる事はなく彼に会えて嬉しい反面、悲しい気持ちでいっぱいでした。
ある時、彼から離婚もまだしていないときに「一緒になってくれ」と言われ「私は結婚願望がない。内縁の妻としてでいい」と言って彼を傷つけてしまいました。
でも、それから彼は私に対し「結婚」の意思を少しづつ聞いてくるようになりました。
私は彼に対し「たとえ離婚が出来たとしても最低1年間は普通の恋人として付き合いたい。じゃないと勢いで結婚したとは思われるし、普通に付き合った結果、やっぱり彼がいいと思ったから結婚したと胸を張って言えるでしょ」と伝えてからは彼はおとなしくなりました。
以前、彼に本社異動になったら会社を辞めて、彼に養ってもらう約束をしていました。
ある時、私に本社異動の辞令が下ったことを彼に伝えたら、「ダメ」と拒否されたのです。
彼の中で私に対する気持ちがシビアになったのだと感じました。
そして私自身もその言葉があったおかげで、本社異動への気持ちも前向きになる事ができました。
本社に行ってからも彼との関係は続いていましたが、本社で出会った仲間たちとの関係が毎日楽しくなってしまい彼との関係を疎ましく感じてしまい、本社異動になってから約1年近くになってから彼との関係に終結する事に踏ん切りがつきました。
またその数か月後には彼は奥様と離婚をしたとの報告があり、もう少し待っていれば彼と普通の恋人としてスタートできたのかと思うと後悔しましたが、一度決めた事。後ろは振り向かないと二人で決め今はお互い前を向いて進んでいます。
彼は離婚するときに大変な思いをしたのだと思う。ただ奥様との結婚生活でのマンネリ化で彼が「失楽園」にあこがれを持ち、私は彼に委ねてしまった。
そこから約6年間、本当に長い長い試練を乗り越えた彼に「お疲れ様」と言いたいです。
彼が誰かと再婚するなら、今度こそ幸せになってほしいと思います。
その時は絶対に不倫をしないと肝に銘じてほしいと思います。
また私も次は不倫への道へ進むことがないように普通の恋愛をしようと心に決めました。
(あみ 29歳)